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【実録】結婚できないから別れたい、と言われた彼女が復縁するまで(第2話)

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※実際の復縁までのやり取りをもとに、物語風に編集してみました。個人情報保護の観点から、内容やお名前などについては一部変更しています。
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【実録】結婚できないから別れたい、と言われた彼女が復縁するまで(第2話)

 浅海さんの本を書店で発見したあと、もっと詳しい内容があると知り、意を決してマニュアルを手にとった。

 内容は本当に納得できるもので、読みやすくてあっという間に読んでしまった。しかも、別れたことで気持ちが落ち込んでいたのに、新しい方向が見えてとても前向きな気持ちになれた。

 この人に相談したい!と思い、無料相談に申し込んだ。
 どこまで書けば伝わるのか、何を書けば良いのか、不安な中、とにかく一生懸命限られた文字数の中で書いて、エイっと送信した。

 待つこと1週間ほど。
 返ってきた返信は、驚くほど的確なものだった。

 彼にとって結婚がプレッシャーだったこと。でも、それ以上にプレッシャーを与えたくないあまりに私が彼の不安に向き合っていなかったことが、一番の原因だったと気付かされた。

 付き合っていた時、彼はけっこう具体的に結婚の話をしていた。
 それが私が安心してしまった要因でもあるのだけれど、子供の名前を考えたり、こんな生活をしたいということを具体的に話してくれていた。

 でも、振り返ってみると、彼にとってイメージできないことだったから一生懸命考えてくれていたのかもしれない。
 そんなことに気付かなかった自分に本当に腹立たしく、彼に申し訳なく思った。

 アドバイスの最後には、こう書かれていた。
「まだまだチャンスはあると思います。焦らず前向きに頑張っていきましょう。」

 チャンスがある。
 それだけで泣けた。
 焦らず、前向きに。きっと私は復縁できる。

 そう言い聞かせ、これは、落ち込んでいられないと、私は自分磨きを頑張ることにした。

 ダイエットをしたり、服装やメイクなどを研究し、家事も取り組むようにした。
 急激な変化に、家族は失恋して落ち込んでいるからだと腫れ物に触るような対応だったけれど。
 私は全くその逆で、やる気に満ち溢れ、とにかく自分を良くしようと色々やってみた。

 少しずつその努力が実っていき、周囲からも「なんか、最近きれいになった?」とか「あれ?痩せた?」と言われるようになった。

 彼との関係は、とにかく焦らないこと。ずっと心の中でそれだけを言い続け、連絡はマニュアルに書いてある頻度を守るようにした。

 彼の反応は悪くなく、連絡をすればきちんと返信をしてくれていた。
 きっと、これ以上返信すると良くないなと思ったところで、自分から話を終えるように気をつけたのも良かったのだと思う。

 ある日、LINEのやり取りの中で彼が
「○○の新刊出たよ」
と振ってきた。
 彼が付き合っていた頃からずっと読んでいる漫画で、私も一緒に読んでいた漫画だ。
 私は何気なく
「あ、そうなんだ。続きどうなった?気になるなー」
と返信を送ると、彼から
「買って読んだらいいよ。でも女子が買うのは勇気いるよね(笑)」
と。私は思い切って
「そうそう。読み終わったら貸して欲しいなー」
すると、彼から
「あ、いいよ。ついでに飯でも」

 自分でも驚いたけど、ご飯に行く約束が取れてしまった。
 嬉しくて、そのまま部屋を右往左往して、何を着ていこうかということで頭がいっぱいになった。

 当日、緊張と嬉しさが入り混じった状態で3ヶ月ぶりくらいに彼に会った。
 いきなり嫌な顔をされたらどうしよう。直前に「やっぱ無理」と連絡が入ったらどうしよう。
 そして、一番は
「次に繋げられるだろうか・・・」
 不安で、不安で、逃げ出したい気持ちと、会いたい気持ちで。遠くから彼が歩いてくるのを見た途端、体が震えた。

 でも、会った瞬間、そんな不安や緊張は吹き飛んでしまった。やっぱり、彼は彼で、付き合っていたときと雰囲気も、大好きな笑顔も、何も変わっていなかった。
 彼は私が痩せたことにすぐ気づき、褒めてくれた。きれいになったね、と。

 その後二人で近況報告をし合った。彼は仕事は以前と変わらずだけど、業務内容が少し増えて忙しくなったとのこと。
 その分、休みは充電のために家でゆっくりしていると話してくれた。
 私も嬉しくて、最近頑張っている料理のこと、仕事で褒められたことなどを話した。

 一段落ついて、彼がさり気なく
「新しい出会いはあった?」
と聞いてきた。

 私はドキっとした。

 出会いというものではないが、最近職場で私のことをいいと思っていると言われたからだ。冗談なのか本気なのかは分からないけれど、そういう話は今までなかったから、ちょっと戸惑っていた。

 見透かされているような気がして、正直にその話を彼にすると、彼は
「よく知らない相手なら、まずはちゃんと知ろうとしたほうが良いよ」
と言ってきた。

 え?なんで反対してくれないのかな…。

 私は少し悲しい気持ちになって、なぜそんなことを言うのかと聞いた。
 すると彼は
「お互いに前を向かないと」
と、うつむいたまま言った。

 そっか。そうなんだ…。
 付き合っていた頃と変わらない空気に、復縁できそうな気がしていた私は、一気に血の気が引いていく感覚がした。

 重くなった空気を払うように、彼は、合コンに初めて参加してみたこと、ただの盛り上げ役で全然収穫はなかったことを話してくれた。
 面白おかしく話すから、私はずっと笑っていたけど、心の中はチクチク痛いままだった。

 今こうして向き合っているのに、お互いにこんなに気が合うと感じるのに、もう無理なんだろうか。
 そんな問いかけが、絶え間なく頭の中でグルグルしていた。

(つづく)

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カテゴリ:不安成功例気持ちもっと見る
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